『…はい』


『桜桃羽、ごめん。今、戻った。さっきは悪かったな』


『おかえり。わざわざいいのに、そんなこと』


『あ、うん。瑠奈の態度気にしてるかなって…』


まあ、少し…はね。


でも、大丈夫なのに…


『可愛い彼女だね。すごくお似合いだったよ』


『…本当にそう思った?』


『え…?あ、う、うん』


龍聖君、ちょっと不機嫌な声…


何か怒らせた?


『…あのさ、隣に引越して来て挨拶もしてなかったし、明日でも引越しソバ食べに行こうよ』


ひ、引越しソバ?


それって…わざわざ食べに行くもの?


『…あ、ごめん。行きたいけど…だけど、龍聖君には瑠奈さんがいるじゃない。私なんかと2人で行ったら…瑠奈さん勘違いしちゃうよ。何もなくても、大切な彼女に変な誤解されたら龍聖君だって嫌でしょ?』


『…』


しばらく沈黙が流れる。


スマホの沈黙は、ちょっとつらい。