私には、波山さんが言った、その「なるほど」の意味がわからなかった。


『水瀬ちゃん。私は40歳の独身ベテラン生保レディ。今日から仕事のやり方叩き込むからよろしくね』


ちょっとだけぽっちゃりした体型に、身長も低めで可愛らしい雰囲気なのに、このしっかりした元気な言葉にベテラン感を感じる。


でも、私と一回り以上も違うようには見えないな。


年齢よりもずっと若く見える。


やっぱりバリバリ働いてる女性は自然に輝くのかな…


スーツ姿も似合ってて素敵な人だ。


それにしても、水瀬ちゃんって…


そんな呼ばれ方は初めてだな。


『あ、あの、私は…』


『水瀬 桜桃羽。25歳。身長はそうね…163cmってとこね。ブラウンのロングヘア。下の方のふわふわパーマが女の色気を演出してる。二重の可愛らしい瞳に、少しだけふっくらした愛らしい唇。副社長が見初めるのもわかるわ』


え?


波山さん…


『副社長って、紅月 麗央さんのことですよね?』