『さあ、早く』


『…あ、あの…れ、麗央さん…』


うわ…


言っちゃった…


『嬉しいよ…桜桃羽…これからも、時々、俺と会って欲しい』


『え…あの、でも…私達は今日初めて会ったばかりで…』


『そんなこと、関係ない。俺が会いたいから会いたいって言ってる』


好きだとか、それ以上の言葉はない。


どういう意味で私を誘ってるのか…


だけど、フラレてすぐの私には…


その方が…有難かった。


好きだとか嫌いだとか、今は…


いろいろ考えたくなかったから。


世界有数の外資系保険会社の御曹司であり、副社長の紅月 麗央と言う魅力に溢れた男性と、私は…


奇跡みたいな出会いをした。


まだ、知らないことばっかりだし、私は自分に自信が無いし…


告白されたわけじゃないから、私達は恋人でもない。


ちょっと不思議な状況だけど…


でも、なぜか…


この人は悪い人じゃない、私も…また麗央さんに会いたいって…


心からそう思ったんだ。