『その代わり…1つ条件がある』


『え?条件…ですか?』


『ああ。難しいことじゃない。俺を…紅月じゃなく、麗央って呼ぶこと。な、簡単だろ?』


『えっ?そ、そんな…初めて会って、しかも、紅月さんは大企業の副社長さんで…そんな人を名前で呼ぶなんて…』


『初めて会ったのは確かだが、副社長だから呼べないとか関係ない。肩書きに気を遣うな』


気を遣うなって…


あなたは、ふ、副社長なんだよ…


課長や部長より、はるかにスゴいんだからね。


『早く…麗央って』


『で、でも…』


『言えないの?桜桃羽…』


うわ…


桜桃羽って…


名前で呼ばれた。


こんな素敵なイケメンに呼び捨てにされ、急に、心臓が激しく鳴り出した。


ただでさえずっとドキドキしてるのに、これ以上こんなことが続いたら私…