兄さんにも勇気をもらって、僕はまた頑張ることが出来そうだ。


もちろん、陶芸の仕事で関わる全ての人、お客様、そして…


桜桃羽にも感謝してる。


『湊先生。ご無沙汰しています。個展の開催、おめでとうございます』


『陽子さん…翔吾君も。わざわざ来てくれたんですね、ありがとうございます』


突然の訪問に驚いた。


『すみません…先生。私のせいで…陶芸教室を辞めてしまったんですよね。ずっと謝りたくて…』


陽子さんが、申し訳なさそうに言った。


『それは違います。僕は、自分の作品作りに没頭したかっただけです。おかげでこんな素晴らしい場所で個展を開催することが出来ました。陽子さんにも感謝です』


『そんな風に言ってくれて、本当に…ありがとうございます』


『翔吾君は?今…』


『中学生です』


『そっか、中学生になったんだ…まだサッカー頑張ってる?』


『はい!母の田舎で一生懸命練習してます』


陽子さんの田舎に…


『実家の近くなんです。景色も綺麗で、空気もいいので、私達には合ってるみたいです。側に両親もいるので…今はリラックスして毎日楽しく過ごしています』