『今、新しい作品が一段落着いたから』


『それは良かった。早く読みたいな、兄さんの新作』


兄の書くミステリー小説は、ただの殺人ミステリーではない。


恋愛だったり、複雑な人間模様だったり、本当に様々な角度の作品を生み出している。


兄は天才だ…と、心から思っている。


実際、全てがベストセラーになっている。


『湊の作品も、見る度に新しい息吹を感じるな…素晴らしいよ。陶芸なんて、全くわからないけど、色んな感情が伝わってくる』


『そっか…好きな人への色んな感情が、そのまま作品に出てしまったからかな…情けないよ』


『似てるな、僕達は…でも、そのおかげで、作品に魂がこもるんじゃないのか?気持ちの一定した作品なんて…つまらない。湊も、自分が信じた道をただひたすら真っ直ぐ行けば、いつかきっと…夢が叶う。僕も…一花…いや、愛する人を想い続けることで、心の平静が保たれているんだよ…』


兄さんの好きな人は…一花さんって言うんだね。


そうだな…


夢が叶う日を信じて…


自分の思うままに生きてみるよ。


ありがとう、兄さん。