『待たせてごめん』


公園に着いた時、そこに立っていた瑠奈は、瞳にいっぱい涙を溜めていた。


『ううん…今来たとこ』


『瑠奈…ごめん』


『いきなり…謝るんだね』


瑠奈の頬に涙が伝う。


俺は…


何も出来なかった。


触れることさえも…申し訳なく感じて…


自分がしてることで彼女が泣いて…


本当に…自分勝手なことをしてるんだと思い知らされた。


『ずっと会ってもらえなかったから…こんな時間取ってくれて感謝してる』


『ねえ、龍聖君。やっぱり…あの人のこと…好き?』


『…ごめんな。本当に…ごめん。でも、大学時代からずっと好きだった彼女に、また…再会してしまって…もう自分の気持ちを抑えられなかったんだ』


『今じゃなくて、龍聖君の大学時代に出会いたかったな…そしたら、あの人より先に私が…龍聖君を振り向かせてたのに』


そう言った後…


瑠奈は泣いた。