「ごめんね…龍聖君」


レストランでひとりぼっちの俺に、桜桃羽から届いたメール。


あいつ…


自分が一緒にいて1番幸せになれる相手…


見つかったんだな。


『フラれた…』


仕方なく俺は、注文していたコース料理を2人分食べた。


『うまっ』


奮発したからめちゃくちゃ美味しい。


なのにさ、何でだよ…


ほんの少しだけ流れる涙。


俺は男なんだぞ。


泣いて…たまるか…


『大丈夫、大丈夫だから』


翔吾もお母さんに言ってた。


そうだよ…


俺も、翔吾みたいに強くならないとな…


『大丈夫。桜桃羽は…幸せになるんだから。祝福してやらないと…』


口ではそう言えた。


だから、きっと俺は…大丈夫だと思う。


その時、瑠奈からの着信があった。


慌ててスマホを耳に当てる。


『瑠奈』


『会いたい。話がしたい』


『今どこ?すぐに行くから』


俺は、急いでレストランを出て、瑠奈の指定した公園に向かった。