#1

「改めて今日からよろしく!かおるちゃん♡」
「………はい。」

神様…どうかこいつに天罰を。

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み、みなさん初めまして。 東条(とうじょう)です。あ、高校2年生の地味すぎる男子です。先生さえ出席確認の時僕に気づかないくらい影が薄いです。よろしくお願いします。

突然ですが、今すっごく胃が痛いです。
なぜなら席替えをして、僕の隣がクラス1のモテ男兼チャラ男の 野村遥斗くん だからです。
隣の席になった人は確実に恋に落ちると言う噂まであります。

僕とは正反対すぎて…居づらいです。
後周りの女子達の視線が怖いです。

「よろしくね!東条かおるちゃん♪」
「え…あ、よろしくお願いします。」

かおるちゃん…。
俺の名前知ってる人なんていたんだ…ちょっと感動。…でも苗字でいいんだよな。

「の、野村遥斗くん…ですよね。」
「俺の名前知ってくれてんの!」
「野村くん人気者ですから。」
「人気者なんて嬉し~♪遥斗でいーよ。」
「分かりました…僕のことは東条でいいです。」
「え…なんで?かおるじゃダメなの?」
「僕の名前って女の子っぽいからあんまり好きじゃないんです…。」
「えぇ…いいじゃんかおる。うん、俺かおるちゃんって呼ぶわ!」

いや、あんま好きじゃないって言ったよね?しかも"ちゃん"…。この人話聞いてる??

「えぇ…」
「もう決定しました!変更はできませーん。」

これは何を言っても無理な気がする…。

「改めて今日からよろしく!かおるちゃん♪」
「………はい。」