「あぁ、悪い............歩くの早かったよな?」

「だっだいじょうぶだよこれくらい!」

肩で息をしながら力なく笑うとそーちゃんは
眉を八の字に提げながら『ごめんな』と心配しながら言ってきた。

私たちは学校を出てそこからそーちゃんは歩幅を合わせながら歩いてくれた。
だけど私たちの間には会話はなくずっと沈黙が続いた。

気まずい、そーちゃんに告白をしようと思って一緒に帰るの誘ったのにこの沈黙を破る勇気が出ない。
たった──二文字''好き’’その言葉がなかなか出ない。
でも、伝えなきゃ言わなきゃ伝わらない何も言わないまま後悔したくない!
『言おう』そう思った瞬間
そーちゃんが足を──ピタッと止めた。

そーちゃんがとまった今なら言える勇気を出すんだ。
「そーちゃん──」

「菜乃花。」
言おうと思った瞬間にそーちゃんがしゃべり出した。

「菜乃花俺、ずっと気になってるんだけど、昼休
みの時何に悩んでたの?菜乃花はあの時『何でもない』って言ってたけど──だけどやっぱり
気になって............」

思い詰めたように話すそーちゃんに胸が締め付けられる。
私の少しの行動でそーちゃんを悩ましてたと思うと苦しい。

「もう、大丈夫だから心配してくれて
ありがとう。」

ニッコリと笑顔でそう言うと彼はホッとしたような顔をして『なら良かった』とそう言った。