自分の中ではちゃんと考えて出した答えだと思っていたのに......

──そう思っていただけなのかもしれない。

「......でも、もう遅いよ......。」

言ってしまったあとだから尚更取り返しがつかない。

「大丈夫......まだ間に合うよ、」

雪ちゃんは一歩二歩と近づいてぎゅっと抱きしめてくれた。

......すごく安心する。

まるで魔法のようだ......さっきまで悩んでいた私の背中を意図も簡単に押してくれる......。

「行ってくるね」

まだ少し目じりに涙が残っていたけど、私は笑顔で雪ちゃんにそう告げて駆け出した......。