──放課後。

私は帰る用意を済ませて昇降口を出ようとしたら......

「菜乃花待てって!」

そーちゃんに腕を掴まれた。

「なんで一人で帰ろうとしてんだよ......」

なんでって......

「は......して......」

今はそーちゃんの顔を見たくない......

「えっ?」

「離して!」

今までにないくらいの大きな声でそう言った。