好きになってごめんね。〜たくさんの幸せをキミと〜

それから少しして、本鈴がなる少し前に教室に入った。

チャイムが成所業が始まったが、聞かずにただボーッと窓の外を見ていた。

「あの、そーちゃん一緒に帰ろう?」

気づけば授業だけでなくHRまで終わっていた。
さっきは逃げた菜乃花が、一緒に帰ろうと誘ってきた。
いつもなら聞かなくてもだいたい一緒に帰るのだが......

それに、菜乃花はなるべく学校では俺と関わりたくないと言っていたのに、珍しい。

もちろん菜乃花の誘いを断る訳もなく、俺は冷たく一言「あぁ、」と応えた。

なるべく教室では一緒にいない方がいいと思い
昇降口に足を速めた。「待ってよそーちゃん」と言う彼女の声が急いでいたため届かなかった。