好きになってごめんね。〜たくさんの幸せをキミと〜

「それじゃあ行こうか、はい、チケット」

チケットを彼女に手渡す。


「あ、ありがとう。お金出すね」


そう言うと彼女は自分バックから財布を取りだした。


「いいよ、こういうのは彼氏の役目だから、ね?」



彼女はコクっと頷いた。


「一条くん、ありがとう、今度は私がだすね」

ニコッとした笑顔でお礼を言われる。



──ありがとうそーちゃん────

──でも次は私がだすね───


.....菜乃花。

あの時の光景がフラッシュバックのように鮮明に映し出される。


「──くん」


「 一条くん!」


──ハッ!

「どうしたの?」


「....どうもしないよ、行こうか」


彼女の手を取る。


......まただ、

また、菜乃花のことを考えてた


クソっ!!