「そーちゃんお昼食べよ?」

菜乃花は俺の席まできた。どうやら今日は用事がないらしい。
少し前は友達と食べたり用事があったりでお互い全然時間が合わなかった。

「あぁ......」
俺は素っ気なくそう一言言った。
ここだと人が多くて厄介なため、2人の時以外では菜乃花に3割増しで冷たくしている。

菜乃花も察しているようで、なんにも言ってこない。

──そして俺たちは屋上に向かった。

いつものように、菜乃花と屋上でお昼を食べてた。
ここは普段は人が来ないから、お昼を食べるのにはうってつけの場所。

教室だと人の視線が気になってお昼も満足に食べられない。

「はぁーマジなんなの用もないのに話しかけないで欲しい......」

「ふふっそーちゃんおつかれさま」

ここに来る少し前に俺は知らない女子に足止めをくらった。
菜乃花は先に行くと言ったが俺はそれを阻止した。
菜乃花を1人になんかしたらわけも分からない男がわんさか寄ってくる。