好きになってごめんね。〜たくさんの幸せをキミと〜


「お、かあ....さん....全然、良くならないの....っ」


治療を初めて一ヶ月。


私の様態は一向に良くならない。


それは自分が感じるほど。


──コンコンッ


「失礼しますよ」


「先生....」


「お母様にお話がありまして、来てもらってもよろしいでしょうか」


意識が遠のいていく中で聴こえた話。


話ってなんなのかな....気になるよ。

でも、だいたい想像がつく。


いつの間にか私は察するのが上手くなるようになった。



「えぇ分かりました。」

お母さんは渋った顔をして部屋から出ていった。


部屋から出ていくふたりを見送って私は意識を手放した。