好きになってごめんね。〜たくさんの幸せをキミと〜

「菜乃花は一条のことを思って別れたのよね......一条が悲しい思いをしないために、」



「そ、うだよ....っ」


そーちゃんがこれから先、私といるよりもいない方がきっと悲しまないで苦しまないで済む......そう思って別れたの。


「でも、私から見た今の一条は抜け殻も同然よ」


えっ......


「菜乃花と別れてからの一条は一日ただボーっとしているだけ、勉強も手につかないみたいよ」


な、にそれ.....

別れてからのそーちゃんを私は知らない。


「でも、そんなの今だけだよ、」


そう、まだ別れてから一週間あと一ヶ月もすれば私の事なんか忘れる。


「逆じゃないかしら、」


逆......?


「今でこんなんなのよ、時間が経てば経つほどどんどんだめになっていく、私はそう思うわよ」