好きになってごめんね。〜たくさんの幸せをキミと〜

授業中も内容が1ミリたりとも入ってこなかった。


部活も勉強も全部、菜乃花に見合う男になりたくて頑張ってた。


だけど、今はもうその頑張る理由が無くなった。



HRも終わり帰ろうとしたら呼び止められた。



「ちょっといいかしら一条、」


──バンッと机を叩いて、俺を呼び止めたのは



「....一宮......」


「ここだと話しずらいから、資料室まで着いてきてくれる」


こいつが俺に話しかけてくる時は決まって菜乃花のこと、


反論する元気もなく大人しく一宮について行った。




──資料室。


「で、話ってなんだ....」


「.....ねぇ今気づいたんだけど、顔色悪すぎない、」


まるで重病人を見るような顔でこちらを見ている一宮。



俺はそんなに顔色悪いのか....?


自分じゃ分からない....


ただ、二三日まともに食べていないだけだ....