好きになってごめんね。〜たくさんの幸せをキミと〜

「そう、なら良かったわ........それでね菜乃花落ち着いて聞いて欲しいんだけど....」

少し溜めてから落ち着いた口調で話し始めたお母さん。


とてもいいずらそうな顔....


言わなくてもわかる......お母さんの顔が物語っているから。


これから聞かされる私よりもつらそうで苦しそうで....口を開くのが重そうなほどに。



──コンコンッ。ガラガラ─「失礼しますよ」

沈黙の中ドアをノックすると同時に入ってきた担当医。


「ちょうど目を覚ます頃だと思ってね....少しお嬢さんと話がしたいんで、お母さん少し席を外して貰えますか....」


「あ、はい」


お母さんは病室から出ていった。