「な、何、言って......」


そーちゃん言葉になってないよ、


「そーちゃんも知ってるでしょ観覧車のジンクスそれ、試したいなって....ダメ、かな?」


あと少しで天辺につく。


ここぞとばかりに、いつもはやらない上目遣いでおねだりしてみる。



「そんな可愛いことしなくても、するよ、キス」


ボソッと何か言われたと同時に腕を引っ張られ気づけばそーちゃんの腕の中にいて唇を交わしていた。


「んっ.....」


甘くてクラクラするようなキス。

さっきまで痛かった頭がクラクラする



これは頭痛からくるものなのか、それともそーちゃんのキスから来るものなのか分からない。


だけど、この痛みは嫌じゃない。

さっきまで苦痛だった痛みとはちょっと違うような感じ。


そーちゃんとキスを交わしているこの間だけは私の不安がどこかに行ったような気分になる。

次の検診まで、まだ先だけど、きっと私は病院に行くことになる。

自分の体だから、わかるんだこの異変が。


ねぇ、そーちゃん....わたし、大丈夫だよね.....これから先もずっとそーちゃんといられるよね。



──この不安が後日、確かなものになるなんて思ってもいなかった。