好きになってごめんね。〜たくさんの幸せをキミと〜

そこに現れたのは確かに菜乃花だったが、なんだろう......今まで見た事がないような格好をしていた。


毎年見ていた浴衣とは違い、桃色の生地に紫の花が咲いていた。

しかも、髪もまとめていて、遠くからでもわかるほど儚く可憐に見えた。

少しの間菜乃花に見とれてしまった。

だけど、見とれてる場合ではない。

今日こそ菜乃花に伝えるんだ。


「菜乃花......」


そう口にして呼ぶと彼女は勢いよくこちらを振り返った。