あれから家に着くまで他愛もない話をしていたけど、ほとんど覚えていない。
さっきの言葉が頭の中でずっとループしている。

「それじゃあね、そーちゃんまた明日」
ドアに手をつけそう一言口にした。

「あぁまた明日な、」

──バタン

ドタッドタッドタッ

勢いよく部屋の階段を上がり部屋に入った。
そこから崩れるように私は泣きじゃくった。

「ふっ、うぅ、うっっ〜」
想いが届かなかった。ただそれだけが悲しくて悲しくて
嗚咽しながらただ、ただ、ひたすら泣いていた。

「とっ届、ふっ、かなかった、ううっ〜」

やっぱり私はそーちゃんに幼なじみとしてしか
想われていなかった。
幼なじみとしての時間が長すぎて私からの
─好き─は幼なじみとしてのものとしか思われない。