「そう言えばさっきなんか言おうとしてた?」

言おうとしてた事気づいてたんだ、てっきりそーちゃんの声と被って聞こえないと思ってた。

「あっあのね、」
言え言うんだ...........トクンっトクンっと波打つ鼓動が次第にドクンッドクンッと強く波打つように早い──。

「あの、私──そーちゃんが好き、」

そーちゃんがどんな顔をするのか、どう返事をし
てくれるのかが怖くて、私は俯きながら告白をした。緊張のあまり足はガタガタ震えてるし、声もか細くなって顔もちゃんと見れなかったけど、 ずっと秘めていた想いを声に。言葉にして。
胸の鼓動が鳴りやむことはなくどんどん、どんどん加速していく。

「──俺も、好きだよ菜乃花のこと、」

──!!
ガバッと勢いよく顔を上げた
そーちゃんの発言に一瞬心を躍らせたその時だった。

「だって菜乃花は俺の大切な幼なじみなんだか
らさ、」
その一言で私は一気に暗闇の中へと突き落とされた気分だった。

えっ──

伝わらなかった............
そーちゃんに私の想いは届かなかったの?

だったらもう──

「うん。私もそーちゃんのこと幼なじみとして
大好きだよ。」

今にも溢れ出して来そうな衝動を必死に押え
苦笑することしか出来なかった。
それが今の私の精一杯の強がりだった。