いつか瞬先輩と再会できたとき、負担をかけず一緒にいられるようにって、そんな未来を夢見て自立を目指し始めたあの頃。
今私が立っているのは、まだその通過点にすぎなくて……
例えばこの試験に合格したら、もしかすると更なる自立へ繋がるかもしれない。
自分の足でしっかり立って、章くんに助けてもらう必要のない私を見てもらえば、先輩の不安も解消されるかもしれない。
漠然と、そんな考えが頭に浮かんだ。
グループディスカッションは、大の苦手だけど……でも。
「試験、前向きに検討してみます」
大丈夫、動き出せば変わらない未来なんてないはずだから。
先輩と一緒に生きていくために、やれることはなんだって挑戦してみよう。