旭ヶ丘高校1年、七瀬美香(ななせみか)

今、信じられないものが目の前にある。



「……当選」

「え、美香すごい、やったじゃん!」



当選。



とうせん……。



トウセン……?



「え、当選!?なんじゃそりゃ!」

「あはは、なんじゃそりゃって」

「ここに書いてる七瀬美香って私のこと?違うよね、同姓同名の誰かだよね?ねぇめぐちゃんそうだよね、そうだと言って!」

「んなわけないじゃん、あんたのことでしょ」

「私のこと!?」



二度見したその文字が書いてあるのは廊下の掲示板に貼られた1枚の紙。


“書記”の横に当選者として私の名前が記されているのは、三度見しても四度見しても変わらない事実。


すなわち私は当選したってこと。


生徒会の書記に、めでたく当選したってこと。