☆☆☆
元の生活に戻って一週間が経過していた。
仕事も順調で、相変わらず大河はかっこよくて、なにもかもが元通り。
少し変わったところがあるとすれば、深がいつもより少し真剣に美緒をくどくようになったこと。
しかし、美緒本人はそれに気が付いていない。
会議を終えて湯飲みを給湯室へ持って戻ると、いつもの後輩2人がまた大河の噂をしていた。
「柊さん婚約したって聞いた?」
「聞いた聞いた! でも彼女が無理やり婚約を迫ってきたんでしょ?」
「そうなんだ? 私が聞いたのは彼女が計画妊娠したって話なんだけどさぁ」
美緒は大きくため息を吐き出した。
確かに、モテモテな彼氏を持つと彼女は大変かもしれない。
「あのさぁ、それどこの情報?」
湯飲みをシンクに置いて美緒が聞く。
「あ、折本先輩。どこの情報かはわからないんですけど、みんな言ってますよぉ?」
悪びれもせずに言う後輩を、美緒は睨みつけた。
「根も葉もない噂してないで、ちゃんと仕事しなさい。じゃないと今の話、柊さんに伝えるよ?」
そう言うと、2人は途端に青ざめた。
「や、やだなぁ先輩。ただの冗談ですよ、冗談!」
そう言ってそそくさと給湯室から逃げていく。
そんな2人を見送って、美緒は小さく笑った。
みんなそんなもんだよね、陽菜さん。
そう思い、洗い物を開始したのだった。
END
元の生活に戻って一週間が経過していた。
仕事も順調で、相変わらず大河はかっこよくて、なにもかもが元通り。
少し変わったところがあるとすれば、深がいつもより少し真剣に美緒をくどくようになったこと。
しかし、美緒本人はそれに気が付いていない。
会議を終えて湯飲みを給湯室へ持って戻ると、いつもの後輩2人がまた大河の噂をしていた。
「柊さん婚約したって聞いた?」
「聞いた聞いた! でも彼女が無理やり婚約を迫ってきたんでしょ?」
「そうなんだ? 私が聞いたのは彼女が計画妊娠したって話なんだけどさぁ」
美緒は大きくため息を吐き出した。
確かに、モテモテな彼氏を持つと彼女は大変かもしれない。
「あのさぁ、それどこの情報?」
湯飲みをシンクに置いて美緒が聞く。
「あ、折本先輩。どこの情報かはわからないんですけど、みんな言ってますよぉ?」
悪びれもせずに言う後輩を、美緒は睨みつけた。
「根も葉もない噂してないで、ちゃんと仕事しなさい。じゃないと今の話、柊さんに伝えるよ?」
そう言うと、2人は途端に青ざめた。
「や、やだなぁ先輩。ただの冗談ですよ、冗談!」
そう言ってそそくさと給湯室から逃げていく。
そんな2人を見送って、美緒は小さく笑った。
みんなそんなもんだよね、陽菜さん。
そう思い、洗い物を開始したのだった。
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