入れ替わったら彼の愛情をつきつけられました。

驚いてベッドから飛び起きる。


しかし電気はつけずに玄関の様子を確認した。


こんな時間に一体誰?


外はもうとっくに真っ暗だ。


こんな時間の訪問客なんてろくでもないに決まっている。


警戒して、すぐに警察に連絡できるようにスマホを握り締めたときだった「美緒、いるんだろ?」と外から声が聞こえてきて目を見開く。


今のは深の声だ!


電気をつけて玄関に出てみると私服姿の深が立っていた。


「こんな時間にどうしたの?」


「元気になったって聞いて、顔を見に来たんだ。じゃ、それだけだから」


ニカッと白い歯を除かせて笑い、すぐにきびすを返して帰ろうとする深。


美緒は慌てて引き止めた。


「こ、ここまで来てもう帰るの? 確か深のアパートって間逆の方向だよね?」


「覚えててくれたんだ?」


「え、まぁ、そうだけど……」


以前深と世間話をしているときにそんな話が出てきたから、偶然覚えていただけだった。