【おりはside】



架子ちゃんが旬佑先輩と話すと出て行って私もソワソワと帰りを待っていると松村くんが私の元へとやってくる。






「どうして浮気くらいで怒るんだろ〜?」






松村くんはからかっているのかと一瞬思ったけど心から不思議そうな顔でそう聞いてきた。






「そりゃ、嫌だと思うよ…。
私は彼氏も恋もないから想像でしかないけど、自分の特別な人が自分以外も特別大事にしてチューしたりしてたら私だったら耐えられない」






恋愛経験のない私が言うのも変な話だけど。


そう言うと、松村くんはまだ不思議そうな顔を崩さない。






「だってどっちもちゃんと大事にしてたら問題なくない?」



「うーん…人それぞれだと思うけど私は恋人は1人でいいし、私もその人の1人でいたいかな」






私がそんな話をすると、突然椛が私の頭に腕を乗せてきた。






「一丁前に恋愛語ってんじゃん。
まぁ、1人いるのに他のやつにまで手出そうとするやつなんてくそだなくそ」






椛はそう言ってケラケラっと笑うが、松村くんはニヤリと笑って私の手を取った。






「じゃあ俺が一途になったらおりはちゃん付き合ってくれる?」



「え〜、どうかな」



「ないに決まってんだろたらしヤローが」






松村くんの冗談か本気か分からない問に誤魔化すと、椛は松村くんを睨みつける。