翌日



今日は1日文化祭準備の日。



だけど…






「もー無理、なんも考えられない」






学校に着くなりずっと架子ちゃんは机にうなだれていた。






「あはは、架子ちゃん抜け殻だ」






私がどう声をかけていいかわからずにいると、松村くんはそう言って笑って近づいてきた。






「昨日架子ちゃんが浮気する人は好きじゃないって言ってたから、君の彼氏もしてるよ〜って教えたらこうなっちゃって」






そう言ってへらへらと笑う松村くんは鬼か。


まさか私たちが隠し通そうと決めたことをいとも簡単に伝えていたなんて…。



それより椛にもバレてたし、旬佑先輩隠すの下手すぎるよ…。






「あの後、旬佑に確認したらしてるって認められた…もうどうしよう」



「いいじゃん浮気の一つや二つ!健全な男だよ!」






架子ちゃんのどんよりとは裏腹に楽観的な松村くんが言葉をかけて架子ちゃんに睨まれる。



私はどうしていいかわからず黙って聞いていると、架子ちゃんはなにか決意したように私を見た。






「私別れる。
好きだったけどだからこそ許しちゃダメなことってあると思うから」



「そんな…」






架子ちゃんの決意は固そうで、付き合う付き合わないを私が決めるのも違う気がして上手く言葉を返せない。



なんて不甲斐ないんだろう私は。




そう思ったって状況も変わらず
私はただ架子ちゃんの決心を見守るしかできなかった。