幼恋。





叶ちゃんの言葉に春夏ちゃんと言われた子はバタバタと走り去っていき

旬佑先輩は気まずそうに私たちと目を合わせる。






「これはなんつーか、まぁ、そうだよな」






声を発した旬佑先輩は訳が分からないことを言って笑うけど全く笑い事じゃない。






「浮気だよね、旬佑」



「いや、えっと…」



「僕は架子ちゃんの親とかでもないから付き合い方にとやかくは言わないけど、浮気する人と友達は嫌だな」






取り乱す旬佑先輩とは裏腹に叶ちゃんは落ち着いていて、そう言葉を発した。


それを聞いて尚更取り乱しているような旬佑先輩だけど、私はもうショックでたまらない。



だってあんなにラブラブで、昨日だってデートしたって架子ちゃん上機嫌だったし

運命だって言ってた架子ちゃんは本当に可愛かったし幸せそうだったから。



そんな架子ちゃんの顔を思い浮かべるとなんだか涙が出そうになるのを必死に我慢した。






「僕からは架子ちゃんに何も言わないけど、どうするかは自分で決めなよ?
別れるならキッパリ言った方がいいし、無かったことにするならしたらいいよ」






なかったことにするのが無難だろうけど、私達からしたら真実を知ってるから辛いものはあるけど…

それが架子ちゃんのためならそれがいいと思う。


叶ちゃんの言葉に私も頷くと、旬佑先輩は困ったように眉を寄せた。