叶ちゃんたちのクラスの隣は喫茶店のようで皆で騒いでいるのを見つつ、叶ちゃんのクラスに行くと
やっぱり旬佑先輩はいなかった。
それどころか1人以外全然誰もいなくて拍子抜けしてしまう。
唯一居たのは叶ちゃんで、私が教室に顔を出したのにすぐ気づいて笑ってくれた。
「どうしたの?おりちゃん」
「旬佑先輩に用があって…。
叶ちゃん1人なの?」
「うん、俺は教室に物取りに来てね。
他のみんなは中庭にいるから旬佑も多分中庭じゃないかな」
叶ちゃんはそう言ってメジャーを見せて笑う。
叶ちゃんも委員だから毎日遅くまで学校に残ってるみたいだけど、みんな手伝ってくれるからって楽しそうにしてるんだよね。
いいことだ。
「僕も今から中庭行くから一緒行こうか」
「うん!ありがとう」
叶ちゃんのクラスの先輩達はみんな優しいから遊びに来やすいけど、1人よりやっぱり叶ちゃんと一緒の方が行きやすいからね。
叶ちゃんのさり気ない優しさに感謝しつつ
一緒に中庭へと向かう途中
多目的室に人影がいるのが見えた。
「あ、旬佑だ」
「あ、ほんとだ」
多目的室で何してるんだろう?
と叶ちゃんと顔を見合わせて入ろうとした時
旬佑先輩と一緒にいる女の人と
旬佑先輩の顔が重なった。


