私が結局椛への嫌がらせになっていないのでは、と思っていると
架子ちゃんが私の顔を覗き込んで眉を八の字に曲げた。
「大丈夫？おりは傷ついてない？」
「え？」
「谷くんに色々言われて嫌だったでしょ？」
架子ちゃんは心配そうにそう言ってくれたけど
自分の中でイマイチショックだったとかはないのが不思議。
「それが悲しいとかはあんまり…
私人として欠けてるのかな？」
普通振られたりあんなこと言われたら悲しくなるよね、なんて思って架子ちゃんに聞くと
架子ちゃんは何故か笑顔でウンウンと何度も頷いていた。
「きっと傷つかなかったってことは、やっぱり好きじゃなかったんだよ！」
「そ、そうかも…」
「でしょ？私も旬佑意外から振られてもどうでもいいもん」
そう言ってえへへと笑う架子ちゃんが可愛い。
架子ちゃんは旬佑先輩のことになるとすごく乙女になるのが本当に可愛くて
私もそんな恋愛に憧れるなぁ。
「架子ちゃん、そう言えば旬佑先輩との馴れ初め聞きたいな」
「お、聞いちゃいます〜？」
「聞いちゃいます！」
私がふと思いついた言葉に架子ちゃんは話したくてうずうずしてるような笑顔で私を見てきた。
