谷くんと話していた場所から移動して
屋上に着くと、椛は腕を離してくれた。
「奏斗、お前そろそろ自制出来るようになれ」
「え〜まぁ〜椛がとめてくれるし?」
「ふざけんな、お前おりはに睨みきかせただろ」
ヘラヘラと笑う有澤くんは、椛からそう睨まれるとヘラヘラ笑顔を引っ込めて頭を下げる。
「ごめんね沖田ちゃん、俺キレると見境無くなるんだ〜」
「いやいや!私こそ谷くんから馬乗りになられた時助けてくれてありがとう」
「あはは!よかったよ〜谷といるとこ見たから気になって見に来たら危なかったから!間に合って安心安心〜」
有澤くんは呑気にそう言って笑うと、ちらりと椛をみて椛の肩に手を回した。
「ま!なにはともあれ!これで沖田ちゃんまた自由の身だね〜恋愛できるといいね〜」
「そ、そうだよね!」
「うんうん〜」
肩を組まれた椛は鬱陶しそうに有澤くんの腕を払い除けて私に背中を向けて屋上のドアに向かって歩き出す。
「椛もありがとうね」
去って行く椛の背中に声をかけたけど立ち止まることも振り向くことも無く屋上から出ていってしまった。
その後を追うように有澤くんはぴょこんぴょこん飛びながら続いて出ていった。
何がどうなって谷くんがあんなに変化したかは分からないけどひとまずは一件落着?かな?


