椛が部屋に私を連れて入った瞬間
私の体は床に叩きつけられた。






「いてっ」






椛は怒った顔で私を床に投げつけたあと
跨るように足で私の胴体を挟んで見下ろしてくる。




そのあまりの圧力に何も言えない。






「お前本当馬鹿だよな、何も学ばねぇ」



「……」



「言っただろ!お前は俺の許可なしに付き合うんじゃねぇって!!」






椛の圧に何も言葉を返せずにいると、苛立った様子の椛は声を荒らげて私にそう言ってきた。


その声に思わずびくりと肩をふるわせ、私も喉から声を絞り出す。






「ご、ごめんなさい…」



「謝って済むなら警察はいらねぇよ!」



「は、はい…」



「いいか?今から言うことよく聞けよ」






椛は鬼の形相でそう言うと、私の顔に顔を近づけて口を開いた。






「お前は俺の犬だ。
だから俺が許可してない奴と付き合うなんて許さねぇ。」



「…い、いぬ…」



「そうだ。だから早く別れろ。わかったな?」






椛のすごみ方が少し怖くて、思わず頷くと椛も頷いてポケットから何やら輪っかのようなものを取りだした。






「これ、外すなよ」






椛はそう言いながら、輪っかのようなものを私の足首につけると靴下を上からかぶせて隠す。






「プレゼント、絶対外すなよ」



「わかった」






少し切ない顔でそう言う椛には何も言い返せず、返事を返すと

椛は私の手を引いて起き上がらせて息が止まるくらいきつく抱きしめられた。