あれから、バスケ部が終わるのを待っていた俺と奏斗で谷を直撃すると

谷は明らかに嫌そうな顔をした。






「俺木下に用はないんだけど」






谷はそう言うが、話がある俺はそんな言葉聞き入れずに口を開く。






「お前、由佳子ってやつ俺から取られたとか思って俺の幼なじみであるおりはと付き合ったとかないだろうな」






回りくどい言い方して話が長くなるのも嫌なので、単刀直入に聞くと

谷は何が面白いのかクスクスと笑う。






「そうだとしたら?
だっておりはって簡単に従えさせられるんだもん」



「は?」



「んだとこら!」






谷の言葉に切れたのは俺ではなく奏斗。


何故そこでお前が切れるんだって感じだが。






「そんなカッコ悪ぃ男だから由佳子とかいう女も離れたんだろーが!!」






奏斗はそう叫びながら谷の胸ぐらを掴んだ。


本当切れると人格変わるなこいつ。






「お前には関係ないだろ」



「はぁ?むしゃくしゃしてんだよ!お前のその態度に!」






谷も奏斗の剣幕に引かずに寧ろ挑発するように奏斗の胸ぐらをつかみ返した。


流石に学校内で物騒なことするのはどうかと思い、俺は奏斗の脇腹を加減しながらどついて止める。






「いてっなんだよ椛〜」



「俺がキレる前にキレるなよ」



「だって〜」



「まぁいい、谷。
お前は誤解してるかもしれねぇけど、俺はお前の言う由佳子とか言うやつ覚えてもねぇ。」






一生懸命記憶はたどったがああいう派手な見た目の女は全員一緒に見えるから思い出せなかった。


それを谷に伝えると、谷は怒りでか顔が赤くなる。