昔からおりはは人を見る目がなかった。
とにかく能天気で天然で、この世界には悪なんてないような考えのおりは。
そんなおりはを幼いながら守らなくてはと俺は思っていたが、兄の叶が優しく優しく守っていて
それとは違う守り方をと思っていたら、意地悪で素直になれなくて、少し暴力的な俺の誕生。
気づいたらもう優しくするなんて手遅れで
小学校、中学校と見る目のないおりはが仲良くなろうとする友達は
陰で見目のいいおりはを妬んで愚痴を言っているようなやつばかりで、友達になる邪魔をしてそいつらに傷つけられることを阻止した。
告白してきた男子も、見た目だけで判断しただけの男子だったから虐めたりして阻止して
他の男がよってこないようにした。
ガラの悪い奴らと絡んでそのグループの中でも強い立場にいるのも
その立場だったら、ガラの悪い奴からもおりはが手を出されないよう事前に阻止できるからだ。
俺だけが悪者ならそれでいい。
変なやつと友達や付き合って傷ついて、陰ができるより俺だけが悪いやつでいい。
それでおりはを守れて、純粋なまま優しくて素直なあいつのまま育てばそれでいい。
「お前はさ〜愛情深すぎるって〜」
「別に。そこまで好きじゃねぇけど」
「またまた〜、架子ちゃん?と旬佑先輩?は沖田ちゃんを傷つけないと思ったから何もしないんだろ〜?」
「まぁ」
そう、奏斗の言う通り架子と友達になったと聞いて呼び出して話をした時
こいつは信用して大丈夫だ、おりはを傷つけたりしない。
そう判断したからなにもしてない。
旬佑とやらは叶の友達だから害はないだろう。


