【椛side】



「もーみじっ」






全ての授業が終わり、放課後俺が教室に残っていると何がいつもそんなに楽しいのかニコニコと笑顔を顔に張り付けた奏斗が声をかけてきた。






「聞いたよ〜谷と付き合ってたいか
沖田ちゃんにっ」



「どうだった?」



「ん〜今のところ好きになりそうにない感じで言ってたよ〜」






奏斗は詳細な会話は忘れたのか、ニュアンスでそう伝えてきた。


そう、俺は谷とおりはを別れさせるべく動いてるが、本当におりはが谷を好きになっていないかの最終確認を奏斗に任せていたのだ。



もしももう好きになってたら納得いかねぇけど納得するしかねぇし。




でも違うなら邪魔できるって訳だ。






「ははっ本当椛は沖田ちゃんが好きだねぇ〜」



「は、誰がここまで変な虫がつかないようにしてきたと思ってんだ」



「まぁ〜ね?
お前がいなかったらきっと今頃沖田ちゃんあんな純粋に育ってないなぁ」



「当たり前だ」






奏斗がニヤニヤと俺を見てくるのは気に触るが、俺は俺なりのやり方でおりはをずっと守ってきた。



だからこそ突然現れた何処の馬の骨ともしれない男は許せないんだよ。




しかもどうもあいつは裏があるみたいだし。