「谷くんのこと好きになれそうか不安になったのはどうして?」






私の心が重くなりつつも、叶ちゃんはそう言って聞いてきた。






「ずっとそれは思ってるんだけど、好きになる未来が見えないの…。
一緒に歩いたりとか、一緒に遊んだりする想像がつかない」






連絡が無いとか喋らないとかもあると思うけど、やっぱり自分の中でそれは引っかかっててだめなんだよね。






「うーん…難しいねそれは…。
手とか繋いだりもしてないの?」



「抱きしめられて、頬にキスはされたことある…かな」






自分でそう言って夏祭りのことを思い出して顔が熱くなるのを感じた。


そんな私を叶ちゃんはなんとも言えない顔で笑ってみると、口を開く。






「その時、ドキドキした?」



「ドキドキ…そんなこと初めてだったから恥ずかしかったかな…。
あと抱きしめられた時は落ち着く感じはあったよ」






私がそう言うと、叶ちゃんはうーんと考え込んで少し言いにくそうに私を見た。






「じゃあ、究極だけど谷くんとキスできる?
なんかで見たけど、その人とキスする想像をしてドキドキしたり想像出来たら好きって聞いたことあるよ」



「谷くんとキス…」






私は叶ちゃんに言われたとおり少し想像してみた。


けど、なんだか上手くできないし
ドキドキも特に感じない。