私の話を聞いた叶ちゃんはまだ優しい笑顔で私の頭を撫でてくれた。






「おりちゃんは椛のことが大事だし、架子ちゃんも大事なんだよね?
でも、今までおりちゃんの仲良くて大事な人って、僕や椛だけだったからそこに友達も増えて色々考えたり不安になるんじゃないかな?」






叶ちゃんのその言葉は私の中で少しだけしっくりきた。



確かに今までの大事な人は椛と叶ちゃんだけだった。


だけど最近になってそこに架子ちゃんと旬佑先輩が加わって、自分の中で知らないうちに混乱してたのかもしれない。






「おりちゃんはずっとずっと僕や椛と一緒でお互いみんなの知らないことも知ってるから、少しだけ架子ちゃんに嫉妬したのかもね」



「嫉妬…」






私が架子ちゃんに嫉妬してしまった。
なんてことだろうか…。


無意識とはいえ嫉妬してるなんて私は心が狭いのかもしれない。

今度からはもっと広い心で居ようと思った。






「おりちゃんが成長してる証拠だよ」






私の気持ちを見透かしたように叶ちゃんはそう言って笑ってくれて、少しだけ心が軽くなった。



叶ちゃんは人を基本悪く言わない。
そんな叶ちゃんだから色んなこと相談できるんだよね。






「そんで、次に谷くんのことかな?」



「うん」






椛と架子ちゃんへの気持ちについてわかって心が軽くなってたけど

谷くんの話になってまた心が重くなった。