「お前が先に手出したんだからな」



「ふざけるな!」






痛そうに腕を抑えながら叫ぶ谷に、こっちのセリフだよと思う。






「お前みたいなやつがおりはの側に居るな!!」






さっきからこいつはなんなんだ。

他の女の話をしたり、おりはの話をしたり。



ていうか…






「お前に俺とおりはのことについて口出しされる意味がわからねぇ。
彼氏だかなんだか知らねーが、それとこれとは話が別だ」






そうだ。

俺とおりはの関係をとやかく言われる筋合いはない。


そもそも今まで俺がどんな気持ちでおりはのそばに居るかなんて知らねぇくせに。






「おりはのこと知ったように話すんじゃねぇよ」






なんと言われても俺はおりはとの関わりを変えるつもりは無い。



やっぱりこの男も排除するんだった。



まずこいつが近づく隙を与えた俺自信にもイライラする。






「クソっ」






なんとも言えないイライラをこれ以上増やされたくなくて

俺はもう谷に構わず家に帰ったのだった。