私がみんなの待つ玄関に着くと
ニヤニヤと見てくる架子ちゃんと旬佑先輩。
多分告白だったって気づいているのだろう。
「なんて返事したの?」
「えっと…」
話してもいいものか迷いながら、でも自分ひとりじゃどうしようもないからと
3人にさっきあったことを話した。
結局どうも谷くんと付き合ったことになってしまったことも。
「明日から夏休みだしどうしよう…」
連絡先も家も知らないからどうすることも出来ないけど…。と思いつつも私が話終えると
架子ちゃんは何故か目をきらきらさせていた。
「谷くんめっちゃ人気なんだよ!イケメンだし優しいしって!2年の王子が王子なら、1年の王子は谷くんって言われてるんだよ!?」
「そ、そうなんだ?」
「本当におりは疎いよね!可愛い!
でもまさかそんな谷くんが強引に付き合わせるなんてちょっとSっぽいし、おりはのこと余程好きなんだね」
架子ちゃんの言葉に、確かに強引だったのはそれほど私を好きでいてくれてるのかもしれないって思えてきた。
でもそれと同時にそれなら尚更適当な気持ちで付き合えない気持ちも出る。
「でもこのまま付き合ってみて本当に好きになったりするかもしれないし、とりあえず夏休み中遊びなよ!」
「でも…」
「本人がそれでいいって言ってるんだし、いいんじゃない?」
「おい架子!」
架子ちゃんが私を説得していると、旬佑くんが架子ちゃんを肘でつついてチラッと叶ちゃんを見た。
どうしたんだろう?


