「もう、無理なんだ。
どれだけ自分を傷つけても汚い身体は消えないし、おじさんのところに毎日のように行って好意をしてしまうの。
自分で自分がわからなくて怖い」






俺を通り越してどんどん背泳ぎで深いところまでいくおりはに俺も続いて行くと、おりははしばらくして泳ぎをやめてプカプカと浮かび始めた。






「汚い。汚い汚い汚い。
これ以上生きてたら本当におじさんから離れられなくなりそうで怖い」



「おりは」



「だからもう死にたいの。
本当は1人で死ぬつもりだったけど急に独りが怖くなった」






波がほとんどない日でよかった。


そんなことを思いながらおりはが遠くに行かないように手を繋ぐと

俺の方を見て涙を流した。






「ごめんなさい。
椛も道連れにしちゃう」






おりははそう言うと、浮くのをやめてしまってゆっくりと沈んで行ってしまう。






「おりは!!」






まだ話したいことがある。
死ぬのは怖くないが俺はおりはに伝えたいことがある。



そんな思いで、なんとか引っ張りあげて水面から顔を出させると不服そうな顔のおりは。






「俺は、おりはとなら死んでもいい。
独りで死なずに俺を道連れに選んでくれて嬉しいからな。」



「変なの…」



「そんだけ俺はお前が好きだよ」