幼恋。





優しく壊れないように触れ、行為を終えたあと、おりはは少し穏やかな顔になっていた。






「ありがとう椛」



「いや、辛くなかったか?」



「うん、幸せだった」






おりははそう言いながら洋服を着ながら立ち上がると、俺に微笑んだ。



その顔が以前のようなもので嬉しいような悲しいような…。






「海、行こう」



「冬だぞ」



「見に行くだけ」






笑うおりははそう言うと俺に手を差し出した。



冬の海なんて寒いだけだろ、なんて思いつつもおりはの手を取り歩き出す。






「海行ったら帰るぞ、みんな待ってるからな」






おりはと過ごすあと少しの時間だと架子も喜んでいたからそういうが、おりはは曖昧に笑うだけだった。






「椛、ずっと一緒だよ」






なんて、よく分からない言葉を俺にかけながら…。