「俺はおりはを大事にしたい。
だからオヤジに犯されて傷付いてると思ってしなかったんだ」
「じゃあ今すぐしてよ。私が汚れたこの場所でしてよ。
おねがいだから椛だけのものだった私に戻して……。」
そう言って涙を零し続けるおりはは震えていて、ずっと苦しんでいるんだとわかった。
だが俺の問題もある。
あの事件以降異性にキスも行為も出来ず、音には出来なかったんだ。
おりはならいけるか??
俺が自問自答していると、どうしたものか迷っているとおりははそっと俺に近づいてくる。
「椛」
近づいてきたおりははそっと俺にキスしてきた。
触れた唇は少し震えていて、やっぱりおりはも怖いのかと悟る。
「おりは、忘れろ、全て忘れるんだ」
きっとこれが終わったら何も無かった頃に戻るんだ。
「おりは、伝わってないかもしれねぇけど俺はお前のこと好きだからな。
俺がお前のこと嫌いになる日はねぇからな。」
そう、物心ついた時から好きだった。
きっとこれから一生変わることは無い。
そう伝えながら怖がらせないように、優しくおりはに触れた。


