【架子side】




文化祭が終わった夜、王子から連絡をもらって私は絶句した。



その内容は、おりはが文化祭に来てた例の犯人に連れて行かれてまた犯された。

それだけでなくそれは自分の意思だと言ったり、おじさんを求めるようなことを言ったこと。



死にたい死にたいと言ってるのをなんとか木下くんが収めて2人がまたくっついた。



そして2人は遠くで暮らすことになると。




あまりの衝撃に私は心がはち切れそうな感覚に陥って、どうしておりはがそんな目に遭わないと行けないんだろう、世の中理不尽だと思った。






「おーりはっ、会いに来たよ〜!」






週明けの月曜。


流石に高校はもう残りわずかでの卒業だからということで、木下くんは通信ではなくここの高校を卒業するようにはなった。



だからおりはも一応保健室登校。



心配だからと木下くんが家でも学校でも片時も離れないでいるようになったらしい。






「架子か」






放課後私が保健室に顔を出すと、木下くんに手を引かれて帰ろうとしているところに間に合った。



でもおりはの顔は暗くて表情がない。






「木下くん、おりはを気晴らしに連れていかない?」






表情のないおりはの顔に少しでも明かりを届けたくてそう提案すると、木下くんは少し悩みながら私を見つめる。