私が家に帰ってしばらくすると、お父さんも帰ってきて
私と叶ちゃん、すずはにお父さんとお母さんと食卓を囲んだ。
私はなんだかもう怖いものなんてなくて
特に誰が話すでもない間を埋めるように口を開いた。
「お父さん、亜美さんについて教えて」
回りくどいことは言わず単刀直入に言うと、お父さんは一瞬驚いた顔をしたもののすぐに真剣な顔になって箸を置く。
その姿勢から話してくれるんだと思った。
「亜美はおりはの本当の母親だよ。
おりはが産まれる前から遊んでばかりでおりはが1歳の時に俺に離婚を言い残して出ていった。
今まで黙っててごめんな」
以外にもあっさりと答えて教えてくれたお父さんに私達よりすずはが1番驚いた顔をしているのが視界の端に映った。
「お父さんが亜美さんに暴力してたとかは?」
「ない。信じてもらえるかは分からないけど、それは亜美の嘘だ」
はっきりと言いきったお父さんの言葉は妙に納得できる。
やっぱり私はお父さんを信じよう。
そしてここまで育ててくれたお母さんは大好きだ。
何を今までモヤモヤしてたんだろう?
そう思えるほどに聞いてしまえばなんてことない事だった。


