思考停止していると、叶ちゃんは私を離して直ぐに私の顔に近づいてきた。
「っ…」
まるでスローモーションのように見えた叶ちゃんは、そのまま私の唇と自分の唇を合わせてキスしてきていて
戸惑いでどうしようも無くなる。
「椛のこと好きでもいいよ。
辛い気持ちとかも全部まとめて僕が引き受けるから付き合おう？」
口を離した叶ちゃんはそんな優しい言葉をくれて、何故か私の目からは涙が沢山こぼれてきていた。
「でも…私なんかと付き合ったら叶ちゃんまで汚れちゃう…。
もう私本当に汚い子なんだよ…？」
凄く嬉しい言葉で、辛い気持ちも丸ごときっと叶ちゃんなら受け止めてくれるとは思ったけど
そんな優しい叶ちゃんを私が汚すなんてできないと言葉にすると、叶ちゃんは優しい顔で首を横に振る。
「おりちゃんは綺麗だよ。
ずっとずっと僕にとっておりちゃんが汚れた時なんて1度もない」
優しくも凛とした顔でハッキリとそう言ってくれた叶ちゃんはまた私を抱きしめてくれた。
叶ちゃんの腕の中はきつくきつく抱きしめてくれる椛のものとは全く違ってまた涙が出てきた。
