「会いに来た」






覚悟を決めた顔でやってきた椛はそう言いながらおりちゃんの部屋へと向かう。


念の為僕も椛について部屋に入ると、おりちゃんは毛布を頭から被って部屋の隅に体育座りで座っていた。






「おりは、くるの遅くなってごめんな」



「……椛」






椛は、おりちゃんの元に歩いていくと、膝を着いておりちゃんの目線に合わせるようにして口を開く。






「ごめんな、守ってやれなくて…」



「どうして…」



「ん?」



「どうして殺さなかったの…?」






椛の謝罪におりちゃんはそう言うと、涙をポロポロとこぼした。






「あの人も、私も殺せばよかったのに…もう私生きていけないよ!!
椛なら助けてくれると思ってたのに!!」



「…ごめん」



「もうヤダ何もかも終わりたい…」







学校にいる時は明るくいつもと変わらないおりちゃんだけど、この言葉は本心できっと本当に辛いんだろう。



言われた椛も苦しそうに顔を歪める。



椛だって倒れるまで探してたのも知ってるし、誰より後悔してた。



そんなお互いを思いあっていた2人のこの空気が辛く重たくて僕はただ見守ることしか出来ないのが無力だなぁ…。