「ふざけんな!!」






今の今まで寝てたのに、どこからその威勢は来るのかと思うくらい大きな声で椛は叫んだ。






「俺は絶対諦めねぇぞ!!
俺たちが諦めたらおりはは何を希望にするんだよ!!!」






そう叫びながら涙を流した椛に椎が驚いていると、突然ガラッと音を立てて病室のドアが開いた。



そこに現れたのはガラの悪い身長もガタイもいい20代半ばくらいの男の人がたっている。






「椛!!今回はほぼ確実に当たりだ!!」



「っ!!!行くぞ!!」






そのガラの悪い男の人の言葉の後、椛は腕に着いていた注射を引きちぎり、立ち上がって病室から出ていこうとする。






「どこ行くの!」



「おりはの居場所わかったかもしれねぇんだよ!」



「ちょっ!僕も行く!!」






また椛が音羽ちゃんの時みたいに暴走したら止めなければと椛を追い掛けて駆け出すと

まさかの椎も着いてきていて


椎はどこかに電話をしながら白衣を脱いで車の鍵を取り出した。






「足より車が早いだろ」






椎はそう言うと、僕と椛とガラの悪い男の人を乗せて発進する。