何かわかった時の為だと、連絡先を交換していると叶がやっとやってきた。






「ごめん、遅くなった!
君、大丈夫だった?」



「診てもらいました!」



「そっか、よかった」






のろまの叶に事情を話して、連絡が取れるよう2人も連絡先を交換させると

音羽は俺の袖を掴んできた。






「思い出したりして怖いかもしれないからこれから時々あって話聞いてくれませんか…?」






心細そうに言う音羽に、そういうのは叶の方が向いてるし俺は面倒だと正直思ったが

おりはを助けられなかったせめてもの償いとして似た境遇の女に冷たく当たるなんて俺にはできなかった。




俺が渋々頷くと、音羽は安心したように笑う。






「ありがとうございます!」



「話聞くだけだからな」






アドバイスとかは出来ないと伝えると大丈夫と笑って言われてしまえば断る理由もあるまい。






「ほら、家帰れ。送ってく」






怖い思いしたけだし早く帰って休む方がいいと俺が立ち上がると、音羽は頷いて後ろを着いてきた。



叶は何か言いたげな顔をしてたけど特に何も言ってなかったから構わず病院を出たのだった。